Clash Verge Rev を Win11 で導入するときの全体像

Clash Verge Rev は設定ファイル(多くは YAML)を扱う プロキシクライアント のひとつで、裏側では Mihomo 系コアの機能(ルール、ポリシーグループ、DNS まわりの挙動など)に依存します。GUI の名前と公開ページは時代とともに移りますが、実務の勘どころは共通で、第一に 入手経路を狭める、第二に 初回起動で要求される権限を正しく解釈する、第三に プロファイルを取得してノード一覧が出ることを確認する、第四に システムプロキシや必要なら TUN までアプリ全体に反映する、の順に進めると戻り道も明確です。

本稿は「配信元の購読URLそのものを勧める」ものではありません。ここでは あなたが合法な権利を持つプロファイル を前提に、端末側の手順だけを書きます。社用PC では 情報システムの方針 優先で止まることがあるため、その場合は自己責任の自己完結ではなく社内手続きへ戻ってください。

先に読むと効く関連稿 TUN とシステムプロキシの違い、復旧の型は Windows 11/macOS の TUN 総覧。UWP やループバックの癖は Windows 11 の UWP/ループバック稿。コア世代の追従は Clash Meta(mihomo)アップグレード を併用してください。

事前準備:アカウント権限、競合ソフト、日付と時刻

Windows 11 では、セットアップや仮想アダプタ関連の操作で ユーザーアカウント制御(UAC) のプロンプトが出るのが普通です。家庭用PC であれば管理者ローカルユーザー、職場端末であれば 管理者承認が出る通常ユーザー など、権限の階層が途中で変わらない一連の作業時間を取ってください。古い世代の別クライアントが常駐している場合は、トレイを含めて終了し、同名のサービスや自動起動が残っていないかタスクマネージャーでざっと確認します。

別売りの 常時ON型VPN、フィルタリング、アンチウィルスのフックが強いスタックが同時に乗っていると、初回のみタイムアウトしたように見えることがあります。切り分けではいったん競合を外せる範囲で外し、通る最小構成へ寄せてから段階的に戻すのが安全です。また 日付と時刻のズレ は HTTPS 取得の失敗原因になり得るため、設定アプリの時刻同期も忘れずに。

公式チャネルで入手する:GitHub Releases と確認の癖

まず基本は 公式の公開リポジトリ に掲載された Releases から、Windows 向けのインストーラ(多くは .exe または配布形態に応じたパッケージ)を取得する流れです。ブラウザのダウンロード履歴から「発行元不明の再アップロードサイト」へ誘導される広告に注意し、URL バーとリダイレクト先が意図したホストであることを毎回確認してください。

法人利用やセキュリティ要求が高い環境では、チェックサムの照合や社内配布の署名付きパッケージまで求められることがあります。個人利用でも、少なくとも「ダウンロードしたファイルのプロパティで署名の有無と発行元を見る」習慣は持っておくと、SmartScreen の警告が出たときに判断が速くなります。

サードパーティの再パッケージは避ける 「便利化」を謳うミラーや匿名サイトは改変のリスクがあります。公式の取得手順(プロジェクト側の install ドキュメント)と照合し、迷ったら取得元をやり直してください。

winget で入れる:ClashVergeRev.ClashVergeRev

コマンドラインが得意なら winget も実用的です。パッケージ ID は ClashVergeRev.ClashVergeRev が一般的で、管理者権限の PowerShell またはターミナルで次のように実行します。

winget install ClashVergeRev.ClashVergeRev

既存版のアップデート運用では、組織ポリシーやキャッシュで詰まる事例が報告されているので、詰まったら winget show ClashVergeRev.ClashVergeRev で可用バージョンとソースを確認し、必要に応じて公式の手動インストールへ切り替えるのが現場対応としては現実的です。CLI 派と GUI 派を混在させないよう、チーム内では手順を一本化しておくと問い合わせが減ります。

SmartScreen と UAC:初回だけ丁寧に通す

実行直後に SmartScreen が出るのは珍しくありません。「詳細情報」から実行するかどうかは、取得元の信頼とファイル署名の確認のあとに判断します。合わせて、インストーラや本体が UAC を要求した場合は、仮想アダプタやシステムプロキシの書き込みなど正当な目的かを読み取り、怪しいパスからの起動でなければ許可します。

企業端末では SmartScreen 以前に AppLockerEDR で止まる場合があります。個人の記事だけでは突破できないため、許可申請フローへ戻してください。家庭用PC でも「管理者アカウントで常用しない」前提なら、都度のUAC承認はセキュリティ上むしろ望ましい動きです。

初回起動:Mihomo コアの同梱・更新を待つ

初回は Mihomo(mihomo) バイナリの展開や更新確認に少し時間がかかることがあります。画面の進行状況やログのエラーを見ながら、途中で二重起動しないよう静かに待つのがコツです。コアとGUIの世代差が気になるようであれば、後から コア更新の考え方 に当てはめて整理すると理解が速いです。

バックエンドのプロセス名やポートは環境・設定で変わるため、ここでは固定値を列挙しません。基準は「GUI の接続ビューやログに、想定ドメインが流れること」です。YAML の方言差で項目名が変わっても、観測点は同じです。

購読URLのインポート:HTTPS、UA、更新間隔の現場ルール

プロバイダが発行する 購読URL をアプリの「プロファイル/購読」相当の画面に貼り付け、取得(更新)を実行します。多くの提供側は HTTPS 必須、特定の User-Agent 要求、レート制限、有効期限のいずれかを課します。画面にエラーが出るときは、まず URL のコピペミス、期限切れ、社内プロキシの途中妨害を疑ってください。

自動更新の扱いは 購読まわりの別稿 も参考に、取得時刻と応答ヘッダの癖を理解しておくと長期運用が楽です。ルールファイルや RULE-SET の優先が気になり始めたら、基礎は YAML ルール分流ガイド へ。

システムプロキシをオンにする:TUN は必要になってから

多くのユーザーはまず システムプロキシ でブラウザや対応アプリを通し始めます。Verge Rev 側のトグル名はビルドで多少変わりますが、意味は「OS のプロキシ設定へループバックの待受を書き込む」ことです。書き込み後、設定アプリのプロキシ欄に意図したアドレスとポートが出ているかをざっと見ると復旧が早いです。

TUN モード は強力ですが全アプリへ効くぶんリスクもあるため、初心者は総覧を読んでからにしてください。TUN とシステムプロキシの稿 に復帰手順があります。ブラウザだけ例外に見える場合は Chrome 向けの分岐パターン の切り分けも有効です。

ノードが出たかをログで確認する:最短の合格ライン

購読が成功するとポリシーグループにサーバー候補が並びます。ここまで来れば「配信の中身」は見えています。次にブラウザで軽いサイトへアクセスし、同じ時間帯にクライアントの 接続ログ にホスト名が増えるかを見ます。増えない場合はシステムプロキシが実際には効いていない、別プロファイルで起動している、企業ポリシーで固定されている、などの筋が残ります。

DNS の見え方が気になるときは Fake-IP と Redir-Host の系譜を DNS 稿 で押さえると、ログの読みが一段上がります。

典型つまずき:権限、競合、取得失敗、空のノード

インストールは通ったのにサービス相当が動かないときは、まず UAC 拒否の履歴 がないか、セキュリティソフトが隔離したかを確認します。購読取得だけが失敗するときは証明書エラー、中間プロキシ、IPv6 経路、一時的な提供側障害を疑い、時間をおいて再試行します。ノードが空のままならプロファイルが選ばれていない、別プロファイルに古い空データが残っている、購読URLが失効している、の順が多いです。

ルール誤マッチの捜査線は マッチしたルールと final の六手順 に寄せると再現が整理されます。

よくある質問

portable 版とインストーラ版、どちらを選ぶべき?

運用ポリシーによります。標準ユーザーで権限が厳しいなら企業配布の決まりに従い、個人なら更新のしやすさからインストーラ派が多いです。どちらを選んでも、取得元は公式に限定してください。

Windows 11 の「開発者向け機能」は必要?

一般的な購読利用だけなら不要なことが多いです。WSL やコンテナ開発と併用する場合は環境変数の代理設定が交錯することがあるため、開発者向けの稿を別途当てはめてください。

アンインストールはどうすればきれい?

OS のアプリ一覧から標準手順で削除し、残ったユーザーデータディレクトリがあればバックアップのうえで整理します。再インストールで直る怪しい挙動は、古い設定残りが典型です。

まとめ

Windows 11Clash Verge Rev をゼロから安定運用に乗せるコツは、公式の取得経路winget(ClashVergeRev.ClashVergeRev)の現行ID確認SmartScreen/UAC の素直な処理Mihomo コアの初期展開待ち購読URLの取得とプロファイル選択システムプロキシ適用後のログ実測 を一列に並べることです。TUN やブラウザ固有の例外は総覧の型に当てはめると迷子になりにくいです。

周辺ツールのなかには、設定画面が多段で迷いやすいもの、更新が追いつかずコア世代が古いまま固定されるもの、あるいはコミュニティ版の所在が散らばって検証コストが高いものもあります。ClashNote で案内する Clash 系クライアントは、入手経路と世代追従、YAML と実ログの往復を前提に整理しやすいものを重視しています。導入が済んだら、続きは ダウンロードページ で自分の環境に合うクライアントを確かめつつ、本サイトのトラブルシュート各稿へ橋渡しすると保守が楽になります。

Clashを無料ダウンロード — Windows 11 向けの入手先を一覧し、Verge Rev 以外の選択肢も比較できます。

関連:TUN とシステムプロキシ購読の更新技術コラム一覧