なぜPerplexity向けに分流を切り出すのか
Perplexityは、単一の perplexity.ai 上のページ表示に留まらず、検索・要約・会話のレスポンス取得、引用リンクの読み取り、サムネイルやファビコンの取得など、ブラウザが背面で多数のホストと通信する設計になりがちです。ここが OpenAI や Google 系の分流稿と並べて説明しづらい理由で、ベンダーごとに「公式が案内するAPIエンドポイント」よりも、実際のクライアントが叩くDNS名 の方面が分散しやすいからです。
加えて、モバイルアプリ版とWeb版でホスト集合が微妙に異なることもあります。購読ルールが GEOIP や広い MATCH に依存していると、期待したノードに乗らないサブドメインが残り、「UIだけは国内キャッシュが効いているように見えるが、中身の取得は別経路で失敗」という見かけが出ます。ルールの上から最初の一致だけが有効 というClashの性質上、粗い束ね方をしているほどそのギャップは出やすくなります。
そこで本稿では、特定の国やISPのブロックの是非には踏み込まず、あなたの購読YAMLの中で秩序をつけるための実務手順 に絞ります。法令・利用規約の順守は利用者各自の責任です。
典型症状:画面は開くのに「中身」が詰まる
サポートでよく聞かれる論点を、プロキシ設計と相性の良い順に並べます。すべてがClash起因ではありませんが、切り分けの出発点として有用です。
- トップ/ログインは問題ないが、送信直後にエラー:ストリーミングや長めのAPI呼び出しが、遅延の大きいノードや不安定な経路に乗っている場合、クライアント側のタイムアウトが先に発火します。
- 本文は出るが画像・サイトアイコンだけ欠ける:取得先が別CDNや別ドメインになっており、そのホストが
DIRECTのままブロックされている、あるいは逆に意図しないプロキシ出口に流れているパターンです。 - ブラウザ拡張や別プロファイルでは通るが、メインプロファイルだけ失敗:システムプロキシとTUN、ブラウザの安全DNSなど、名称解決と実経路の組み合わせが環境ごとに違います。
- 社内LANでは通るが自宅だけ不可:IPv6経路、CGNAT、中間機器の差が原因のこともあり、プロキシ以前の要因も疑います。
DOMAIN 行に入れるのが最も確実です。
意識したいホスト:perplexity.ai と周辺
以下は 設定時点で一般的に参照されやすい名前のたたき台 です。必ず手元の接続ログ・ブラウザのネットワークパネルで実名を確認し、過剰な DOMAIN-SUFFIX を避けてください。
perplexity.aiおよびwww.perplexity.ai:Webクライアントの中枢。pplx.ai:短縮リンクや関連ホストとしてログに現れることがあります。出現した場合のみルールへ。- サブドメイン:アプリや実装の変更で
api.系などが増える場合があります。ログに出たままDOMAIN指定が安全です。 - 第三者CDN・静的配信:画像やスクリプトが別ドメインになると、メインサイトだけプロキシに乗せても表示が欠けることがあります。その場合は失敗URLごとに出口を揃えるか、許容できる範囲でルールを足します。
OpenAI・Google・Anthropic 向けの分流記事と重ならないのが本稿の位置づけです。混在させると「同じPROXY名なのに結果が違う」が起きやすいので、運用メモとしても サービスごとにポリシーグループを分ける と後から読みやすいです。
ポリシーグループとルール順:AI検索用出口を汎用PROXYと分ける
実装の型は、他の生成AI向けと同様、汎用出口(例:PROXY)と、レイテンシやブロック回避を優先したい Perplexity専用(例:PPLX-EXIT)の二層が扱いやすいです。PPLX-EXIT は select で地域を固定するか、url-test で応答が良いノードを選ぶかは好みですが、テスト対象URLがCDNの軽いページだけ だと、実際の会話で遅いノードを選んでしまうことがあります。可能なら Perplexity 利用中のログで詰まりにくいノードを選び直してください。
proxy-groups の挙動の骨格は YAML分流ガイド と同じです。古いコアではHTTP/2や特定のTLS周りだけ不調、というケースもゼロではないため、必要に応じて Clash Meta(mihomo)のアップグレード も検討します。
proxy-groups: - name: "PPLX-EXIT" type: select proxies: - "node-A" - "node-B" - "DIRECT" - name: "PROXY" type: url-test # ...
続く rules: では、Perplexity向けの行を GEOIP や広い MATCH より上 に置きます。購読プロバイダの RULE-SET が先にマッチしているなら、当該セットより上に持っていくか、セットの内容と優先度を見直します。
コピー用ルール例:DOMAINを先に、DOMAIN-SUFFIXは核から
以下は 例示 です。ポリシー名は環境に合わせて置換し、実ログに合わせて行を増減してください。順序は より具体的なホスト → サフィックス → 一般ルール が読みやすいです。
rules: - DOMAIN-SUFFIX,perplexity.ai,PPLX-EXIT - DOMAIN-SUFFIX,pplx.ai,PPLX-EXIT # Add DOMAIN lines from your logs, e.g.: # - DOMAIN,example-sub.perplexity.ai,PPLX-EXIT # Then GEOIP / MATCH...
開発者・CLI利用者へ
ターミナルからスクリプトを叩く場合、HTTP_PROXY 環境変数とTUNの二重適用、または一方だけ効いている状態が起こり得ます。「ブラウザは通るがcurlだけ失敗」は、ルール以前に プロキシ設定の欠落 のことが多いです。DNSの挙動が気になる場合は Fake-IP/Redir-Hostの記事 も参照してください。
よくある失敗の対照:症状とチェック観点
次の表は「最初に疑う順」の目安です。ログの実際のポリシー当てと併せてください。
| 見え方 | まず疑うこと |
|---|---|
| すべてのサイトでタイムアウト | ノード障害、DNS到達性、TUN起動失敗、購読リンク取得自体の失敗 |
| Perplexityだけ不可、他サイトは普通 | perplexity.ai 系のルールが上に来ていない/別ルールに吸われている、DIRECT 落ち |
| テキストは出るが画像だけ出ない | 画像ホストが別ドメインでDIRECTや誤出口、ブロック |
| 403/429などHTTPエラー | アカウント制限・リージョン・レート制限(プロキシ以外の要因を先に) |
| モバイルだけ不調 | 省電力、VPN権限、アプリのプロキシ非対応。Android向けタイムアウト稿 参照 |
実測手順:ログでホストとマッチしたルールを追う
設定を変えたら、Clashクライアントのログで 対象ホストがどのポリシーに割り当てられたか を確認するのが最短です。「行を足したのに変わらない」場合、多くは より上のルールで既に一致している か、想定と別ホスト名に向いている かです。ブラウザのネットワークタブで失敗しているURLをコピーし、ホスト部分をそのままルール化すると改善することが多いです。
追加で、アプリの分割トンネルやOSの「VPN経由のDNS」設定が、ClashのDNSモードと干渉していないかも見ます。複合的なときは、一度シンプルなプロファイルで再現するか、ノードを切り替えて経路単体テストすると切り分けが進みます。
FAQ
トップは開くのに会話だけエラーになります
ログと開発者ツールで、失敗リクエストのホストを特定し、DOMAIN で足りない名前を埋めます。併せて PPLX-EXIT に割り当てられているか、タイムアウトは別ノードでも再現するかを見ます。
DOMAIN-SUFFIX で perplexity.ai と書いたのに効きません
購読 RULE-SET や上位の広いルールが先に一致していないか確認し、Perplexity向けの行をその より上 に移します。
画像や引用だけ表示されません
別ドメインへのリクエストがプロキシに乗っていない、またはブロックされている可能性があります。失敗URLのドメイン単位で出口を揃えます。
まとめ
2026年、Clash で Perplexity のような AI検索 を安定させる鍵は、「perplexity.ai を核に DOMAIN-SUFFIX で束ねつつ、ログに現れたホストを DOMAIN で足す」「ポリシーグループ で出口方針を汎用 PROXY と分離する」「ルール順 で購読セットと競合させない」の三点です。ChatGPT・Gemini・Claude・Grok など既存の分流稿とドメインを混ぜないことで、年が経ってもYAMLが保守しやすくなります。
クライアントの入手と種類の比較は ダウンロードページ からまとめて確認でき、長期利用では「自分用のホストメモ」を少しずつ増やすのが最も確実です。ルール一般論は YAML ルール分流ガイド、一覧から探す場合は 技術コラム一覧 をご利用ください。
関連:ChatGPT/OpenAI API 分流、Gemini/Google AI Studio 分流、Grok/xAI 分流。